三者間協議のちょうど次の日だったか。正確な日にちは覚えていないが、私は副社長のシゲキに呼び出された。そしてそこには社長もいた。
それは突然だった。普段かかってくることのない副社長のシゲキから私の携帯電話に連絡があった。内容は今日の夜本社に来いと言うものだった。そこで話す内容は、ある程度察しがついていた。おそらく今回の顛末に付いて詳細を話すことになるのだろう。だから、私は嘘をつかず、ことの顛末を事実だけをできるだけ主観を交えずに話そうとした。
私は、当時、退職を考えはじめていた。クラッシャー上司により、私の仕事に対するモチベーションは著しく下がっており、私が転職したブラック企業でこの先働くことを考えることができなくなっていた。だからこそ、背水の陣ではないが、良くも悪くもどうでも良いと思っていた。だから言いたいことは言おう。そう思った。
夜になり、私は本社に一人で赴いた。すると会議室に通され、私はそこで副社長シゲキを待った。どれくらい時間が経ってからだろうか、そこに副社長のシゲキと社長が現れた。
私は社長までもが同席するとは思ってはいなかったので、少しばかり驚き、半ば無意識にその場で姿勢を正した。
「機能スペインから帰ってきたばかりなんだ。帰ってきたらなんかとんでもないことになっているみたいだから、それについてお前の口から話してくれないか」
開口一番社長はそう言うと、私からの話を求めた。私は、もう事実しか話すことしか考えていなかったので、その事実について社長に2時間に渡り、話した。
クラッシャー上司は会社に隠し、自分の都合のいいように組織をつくっていること、諸々の事実を隠蔽し会社の会議で報告していること、「詰め会」のこと、覚えていないが、私の知っている限りの出来事、その他もろもろの事実を話した。
すると、ブラック企業の社長は「オレの知らないところでそういうことが行なわれていること自体が嫌なんだよ」と言った。「会社側には体のいい報告をして、事実とかけ離れたことをする。そういうことが行なわれていたことはちょくちょく耳には入ってきてはいたんだが、なかなか事実や実態をつかむことができなくてな・・・」
社長はそう言うと、私に意見を求めた。
「この環境を変えるには、どうすれば良いと思う?」
そこでスイッチが入り、私は私の考えを述べはじめた。
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