私はその日、初めてKの置かれている状況をきくことになった。以前からKの様子はおかしいとは思っていたのだが、私の想像以上にKの置かれている状況はひどいものだった。
まず、営業部に配属された初日からKはクライアントを引き継いでいる。しかし、その引き継ぎ方法も実に雑で、引き継ぎとは言えない方法で引き継ぎが行われていた。
これはどういうことかというと、Kの直属の上司であった高崎はアポントもとらずにクライアント先に向かう。だからクライアントと会えるはずもない。しかし、高崎は言う「ここがそのクライアントだから。よろしく」・・・以上。
クライアントの名前もわからなければ、どのような取引が行われているのか、また過去どのような取引が行われどのようなトラブルがあったのか、そしてどのような人物なのか、どのような商売をされていて、何処に連絡すればいいのか、さらぶ携帯電話の番号は、会社の番号は・・・その他諸々全てきいてもわからないという。
Kはその時思ったそうだ「一体こいつは今までどうやって仕事をしてきたのだろう」と。
しかし、話はそれだけではない。そもそもクライアントが高崎のことを知らない状態でもあった。だから実際に運良くクライアントに会うことができたとしても、「誰、君?あれ?担当変わったの?今度は二人で担当するの?・・・え?違う?あ〜・・・新しい担当はあなたなの?よろしく」と言った具合だ。
その間ほんの30秒ほど。細かいやり取り等はなく、当たり前だが、特に親しげな様子もなく簡単な自己紹介で「それでは、また」と、そそくさと退散するらしい。
高崎がクライアントを持っていた年数はハッキリとは覚えていないが数年あまり。数年間もあれば普通ならば、どんなクライアントだろうと、お互いのことをしっかりと認識した上で、様々なやり取りがあるはずだ。ということは、数年感間ほぼ放置していたということになる。
とにかく、そんな調子で約200件の引き継ぎが行われていくことになる。
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