ブラック企業では時間の概念がない。だから昼、夜関係なく仕事をしなければならない。また曜日の概念もない。だから土日祝日関係なく働く事となる。事実、私の場合、社内の人間からはもちろんのこと、クライアントからも深夜に連絡が入る事が多々あったし、注文の確認や、在庫の有無の確認などの連絡も直で私用の携帯電話に入って来る事もあった。
なぜ私用の携帯電話に入って来るのかというと、スマートフォンのアプリ「LINE」でクライアントと繋がっていた事による。私のクライアントは前任である諏訪から引き継いだクライアントだと言う事は以前も話した通りだが、諏訪は、様々な条件をのんでしまっており、文字通り何でも屋と化していた。
それらのクライアントを引き継いだ私は、その諏訪がのんだ条件のもと仕事をする事になったのだが、そのうちのひとつにクライアントとLINEでやりとりするという条件が含まれていた。
クライアント曰く、LINEならメッセージを読んだか「既読」表示によってわかるし、いつでも思いついた時に送ることが出来るから便利とのことだった。
しかし、私からしてみれば深夜の2時、3時に思いついたことや、注文などをLINEを通して送ってこられるので厄介以外のなにものでもなかった。その中には面倒くさいクライアントもおり、いつも深夜にしかLINEでメッセージを送ってこない者がいた。
しかも明け方の4時頃に決まってLINEが送られてくる。さすがに何度も起こされた為、通知機能をオフにしたのだが、なぜだろう、心が休まる事はなかった。つまり通知機能をオフにしたところでその時間に送られてきているということには変わりはないので気になり、自然と目覚めてしまったり、結局LINEに目を通してしまったり、通知機能をオフにしたところで音がならないだけでこれといって対策になっていなかった。
また以前も書いたように社内からも時間関係なく私用のスマートフォンにメッセンジャーがバンバン飛んできており、会社とクライアントとの間に常に板挟み状態になっており、心が休まる暇がなかった。
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