【ブラック企業体験談】無謀な引き継ぎの計画と、ブラック企業上層部の副社長シゲキの実態。

私の同期入社である、Kが高崎から引き継ぐクライアントは200件あった。しかし、高崎は次月頭に異動することが決定しており、残された時間はわずかばかりしか用意されていなかった。

 

そんなものだから高崎は到底、叶うはずもない無理なスケジュールを組んでいた。ブラック企業の上層部もそんな無理な引き継ぎを知っていながら半ば放置。またKが日に日にやつれていく姿をみて楽しんでいる様子だった。

 

副社長のシゲキは「おまえ大丈夫か?ちゃんと寝ているのか?」と声をかける一幕もあったが、それは本当の意味で部下を慮ってのそれではないことは明らかだった。もし、本当に心配しているのなら無理なスケジュールが組まれているということは副社長のシゲキも知っていたことなので、高崎に対して口を出すはずだし、そもそもそんな無理な高崎の異動を決めたのは彼ら上層部の人間だったからだ。

 

そもそも、計画自体が無理なものなのだから普通ならスケジュールを見直し、スケジュールの変更を行うはずだ。しかし、そんな様子は全くなく、むしろそんな苦しんでいるKをみて楽しんでいるようにさえみえた。そんな副社長シゲキは、私の目には、周りに対して、社員を大事にしているアピールをしているようにさえうつった。

 

そもそも私の転職したブラック企業は同族経営の会社だった。つまり代々息子により引き継がれてきた会社だ。どんな会社も3代目になると、様子がおかしくなるというが、私が転職したブラック企業も実は3代目が引き継いでいた。

 

副社長のシゲキはその次男。社長は長男が引き継いでいた。

 

副社長シゲキはとても時間にルーズな男だった。副社長のシゲキと、取引先に同行したことがあるのだが、時間に遅れるわ、遅れる。しかも遅れたのにも関わらず、優雅に歩いて登場する。電車での移動の際も時間的にギリギリであるというのに、売店でおむすびを購入している始末。このままでは時間に遅れてしまう・・・取引先になんと説明すれば良いのか・・・と思い悩み、何度ヒヤヒヤしたことか。

 

笑ってしまうのが読む本だ。副社長シゲキは電車の中で堂々と自己啓発の本を読んでいた。それも私たちでさえ人前で読むのをためらう書籍だった。それは例えばナポレオンヒルのような「思考は現実化する」の類いではなく、それらの簡易版「お金持ちになる方法」や「○○の教え」「楽して儲ける10の方法」といった類いの本だった。原書を噛み砕いてエッセンスだけを取り込んだ、読みやすくされた書籍だった。家でゆっくりと誰にも知られずに読むのならわかるが、堂々と人前で、しかも社員の前で読んでいる姿には少しばかり、ひいてしまった。せめてカバーくらいして隠してほしかった。

 

しかもかなり読み込んでいる形跡があり、書籍自体がかなり痛んでいた。おそらく何度も何度も読み返しているに違いなかった。私は「いや、違う。あの書籍はブックオフで購入したに違いない」と無理矢理納得をさせていたが、副社長シゲキのような者がブックオフで中古の本を購入する・・・想像したくない出来事だった。こんな人が私の会社の役員であるのか・・・そう思った瞬間、私はとても気が重くなったことを今でも覚えている。

 

 

つづきはこちらから【ブラック企業体験談】ブラック企業の恐るべき引き継ぎの実態。1日の引き継ぎ件数は20件。クライアントの情報は皆無。

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