私が転職したブラック企業では、社内で一番営業の立場が弱かった。また営業が社内で一番発言力も弱く、仕入れと物流の間に立たされさらに、他部署では営業部は一体何をしているのかわからない、本当に仕事をしているのか・・・と陰口を叩かれていた。
もちろん、営業部は仕事量も多く、社内で一番仕事を抱えている部署といって間違いない。しかし午後になると出ずっぱりになり基本的には社内にいる事がないため社内に常駐している人間からすればその仕事内容はまるでブラックボックスに包まれている。だから他部署からしてみれば、営業は何をしているのかわからないし、どんな仕事をしているのかもわからないし、仕事をしている姿が見えづらい。
そのため、本当は仕事をさぼっているのではないか、どこかのカフェでコーヒーでも飲んでいるのではないか、またどこかで寝ているのではないか、と思われているようだった。
もちろん、高崎のようなナックファイブのゴゴモンズを聴きながらドライブをしている社員のような例外のぞいて基本的にはそんなことはなく、先にも述べたように午後は外出先でもノートパソコンを開き、鳴り止まない電話の対応に追われ、確認作業、出荷確認、仕入れ交渉、商談などそれこそ多岐にわたり様々な仕事をこなしていた。
またクライアントからだけではなく配送からも電話がかかってくる事も多く、内容も荷物のおろし忘れやクライアントからのクレームなど多岐にわたった。
当然の事ながら、物流側のミスも営業が全て責任をとる。しかしいまだに納得がいかないのが、物流のミスで、何度もあと一歩間違えれば契約を切られるほどの大クレームになった事があり、その度に夜遅くにクライアント元へ足を運び謝りにいったのだが、肝心なミスを犯した担当者が現場には来ず、またそれだけでなく一切私や私のクライアントに対して謝罪に訪れる事はなかった。
営業がクライアントとの間の窓口となっているので営業が最終的な責任を持つのは仕方がない。しかし常識として、ミスを犯したのだから、謝罪くらいしにきても良い。というか、クライアントにもそうだし担当の営業にも頭を下げにくるべきだ。「申し訳ございませんでした。私のミスでご迷惑をおかけしました。今後二度とないように気をつけます」それだけでもだいぶ気分は違う。しかしそのような言葉をもらった事がない。時間が合わず謝罪しにくるのが難しいのならば、電話の一本くらい入れて謝るの常識だ。しかしその電話さえももらった事がない。
取引額が大きいクライアントに対して上にあげたようなミスを犯された場合本当に腹が立った。人間だから誰しも間違う、だからミスを犯す事は仕方がない。しかし、百歩譲ったとしても、その後、ミスを謝りに来るでもなく、謝罪の電話を入れる訳でもなく、さも自分は正しい事をしている、間違っていないという風な態度を取られたときは本当にグーパンチをしたくなる衝動に駆られた。
もちろん本当にグーパンチをしたらそれはパワハラになってしまうし、仕事を円滑に進める上で支障をきたす。だからそんな事はしないが、さすがにミスが何度も続き、そのクレーム対応に何時間も費やしたときは怒りが収まらないときがあった。
なぜなら、そのクレーム対応に費やしいてる間にも多方面から電話は鳴り響き、どんどんと仕事がたまっていくからだ。気がつけば深夜3時過ぎまでノートパソコンをカチャカチャと叩き朝6時に起床し出勤・・・というような生活が続く事もあった。
[…] […]
[…] […]