増山は過去、ブラック企業を本気で改善しようと取り組んだ経験があった。しかし、志半ばその計画は頓挫することになった。どういう理由でかは私にはわからない。ただ一言「できなかった」とだけ私に言っていた。
それからというもの、チャンスをずっと伺っているようだった。いつかはこの会社を変えてやる・・・そんな気概をもって仕事に取り組んでいた。
だがなかなか思うようにチャンスが訪れない。仲間もどんどん社畜と化していくか、辞めていくか・・・増山はずっと耐え続けた。そこに私とKが入社してくることになる。
増山は同じような被害者をだしては行けないとずっと私たちのことをみていてくれたらしい。これ以上被害者を出してはならないと水面下で動いていた。
これだけ複雑な仕事をしているのにも関わらず研修もろくにせず放置し、クレームが起きたら本人にかぶせる・・・それが何度か続き、耐えられなくなり辞めていく・・・それだけならまだいい。中にはクラッシャー上氏による理不尽な罵倒により再起不能となり、退職するものもいたし、社内の問題によるクライアントからのクレームの連発に耐えきれず辞めていくものもいる。
社員の連携はとれておらず、みな自分のことしか考えず、責任を誰かにかぶせ続ける企業の体質。統制がとれておらず部下を戒めるばかりでマネジメントのマの字もできない名前ばかりの管理職。これでは会社の未来がない。
増山はそう思っていた。
そして幸運なことにこの後、そのチャンスが増山の元にやってくることとなる。いや、正確に言うのならば、私達のもとにチャンスがやってくることになった。
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