【ブラック企業体験談】クラッシャー上司パワハラおじさんの秘密。

諏訪とパワハラおじさんは密接な関係でつながりを持っていた。それは即ち、ブラック企業内でも諏訪とパワハラおじさんのみぞ知るあるクライアントとの特別な契約だった。もちろんその契約について会社は知らない。なぜ知らないのかと言えば、その契約が公になると、ブラック企業内でのパワハラおじさんの立場が危うくなるからだ。端的に言えばそれはつまり、「解雇」を意味する。

 

パワハラおじさんは、ブラック企業でいわば引き抜きで入社した。もともとは大手企業のシステムエンジニアをしており、全く関連性のない企業からなぜ私が転職したブラック企業に入社することになったのか・・・詳しくは私も知らない。

 

ただ、どういうわけかブラック企業に入社することになったパワハラおじさんは会社としての期待を背負って入社することになった。パワハラおじさんはシステムエンジニア出身ということもあり、パワハラおじさんが最初に任された仕事は社内のシステムの構築だった。

 

仕事が一段落し、次に任されたのが営業という仕事。しかし、パワハラおじさんはそれまで、営業の仕事の経験はなく、途方に暮れた。そこでパワハラおじさんは学生時代の先輩だったある人物に声をかけた。

 

その相手が非常に厄介な人物で、パワハラおじさんはある条件をのんだ。それは商品原価よりもさらに割り引いた価格で商品を提供すると言う内容だった。つまり、企業として売上は上がるが利益にはならない、むしろ売れば売るほど損がでる、ブラック企業からすれば何ら意味をもたない契約だった。

 

細かな契約内容については私も知らないが、それは会社にバレると非常に厄介な契約だったようだ。そんなものだからパワハラおじさんはその先輩との契約を面倒に思うようになった。これ以上、関わりたくない。そう思った。しかしパワハラおじさんの窮地を助けてくれた義理がある。だから簡単にきるわけにはいかない。もしかしたら契約を切る話をしたところ、揺すられていたのかも知れない。会社にこれまでの全てを話すぞと。

 

そこであらわれたのが諏訪だった。諏訪は、パワハラおじさんに義理を感じている。こいつなら任せられる。パワハラおじさんは諏訪の仕事ぶりをみてそう思った。

 

思った通り、諏訪は快くそれを引き受けた。そして諏訪はパワハラおじさんからそのクライアントを引き継いだ。ただし、パワハラおじさんは、クライアントこそ引き継いだものの様子は気になる。だからパワハラおじさんは諏訪に、ことあるごとにそのクライアントの様子を報告させた。

 

しかしパワハラおじさんが気がかりなことがひとつだけあった。それは諏訪はいずれ退社するということだった。諏訪は家業を継ぐ為に入社したのだしそれを留めるわけにはいかない。とはいいつつ、その厄介なクライアントを任せられる相手もいない。一体どうすればいいいのか・・・パワハラおじさんは意を決しついに諏訪に言った。「今まで以上の報酬は出す、会社にとどまらないか」。

 

上への説得はパワハラおじさんが責任を持つとのことだった。諏訪の仕事ぶりは社長おろかほとんどの社員が知るものであり、それについては会社としても納得。お金を積んだ。しかし、諏訪としては実家の様子が気になる。悩んだ挙げ句諏訪はその提案を断った。

 

では厄介なクライアントはどうすればいいのか。誰が担当するのか、それを担当できるに値する人物は社内にはいない。社外からつれてくるしかない。それも信頼できる人物。絶対に口を割らないような従順な、それでいてある程度仕事が出来る人物が良い。

 

そう思っているうちに、どういうわけか、諏訪は私の上司についた。この時点ではまだ、細かいことは何も決められなかったという。しかし、諏訪は毎日、パワハラおじさんに私の仕事ぶりを報告した。

 

新しく入社した人物はこういう人間であり、こういう考えを持っていると。諏訪からの報告をきき、パワハラおじさんはついに動いた。それは私にそのクライアントを引き継がせると言うものだった。

 

つづきはこちら【ブラック企業体験談】クラッシャー上司パワハラおじさんによる社員に対する罵声と暴力。

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